みらいへの想い

働く人
宮崎 亜美様

人と関わるって難しい。でも、それが楽しいのがこの仕事

北九州福祉サービス株式会社
ヘルパー職2年目。
 
  2001年生まれ。山口県下関市出身。
高校生のときに、JRC部(Junior Red Cross、青少年赤十字)に所属し、ボランティア活動の中で福祉に興味をもつ。その後北九州市立大学で心理学を専攻。
新卒でヘルパー職に従事。
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高校生の私が出会った、福祉という選択肢

高校生のとき、ボランティア部に所属していたことがきっかけで、福祉に興味を持ちました。知的障害のある子どもたちと遊んだり、特別養護老人ホームで高齢者と話したりする中で、人と人とが関わり合う奥深さに魅了されました。障害の有無や年齢によって、最適な関わり方は異なります。「どうしたら相手に喜んでもらえる?」「どんな言葉をかけると安心する?」そんなことを考えるのが自然と楽しくなりました。

 

特に印象に残っている出来事があります。ある日、身体障害のある子と積み木で遊んでいたときのことです。うまく積み上げられない様子を見て、私は「こうしたらいいよ」と声をかけてサポートしました。ですが、人といると集中できなかったようで、途中から少し離れて見守るサポートに切り替えました。すると、集中して遊び始めたのです。この経験を通して、直接支援するだけでなく、時には離れて見守ること・声をかけないことも大切なサポートになるのだと学びました。福祉は人と人との関係性で成り立つサービスだからこそ、関わり方次第で生まれる変化が面白い。そう感じたことで、この業界で働きたいと思うようになりました。

 

福祉・介護は、心をかける暖かい仕事だったから

私は地元の山口県下関市に近く、友人も多い北九州市で働きたいと考え、就職活動を始めました。福祉・介護の道に進むことを伝えると、周りからは「今じゃなくてもいいんじゃない?」「大変だよ」と言われることもありました。ですが私は、部活動を通して働くスタッフの方々の姿を見ていたので「福祉・介護は心を使う暖かい仕事」であり、「やってみないとわからない!」と考えていました。

 

今の会社に決めた理由は、大きく2つあります。1つ目は、高齢・障害と領域を絞らず、幅広いお客様と関われること。2つ目は、スタッフがお客様一人ひとりと向き合い、心をかけて支援をしていること。会社説明会や施設見学で、お客様に寄り添うスタッフの姿や、支援を受けて穏やかな表情のお客様を見て、「自分もこんなふうに関わり合いながら働きたい」と思い入社を決めました。

 

「できた」より「お客様さんにとってどうだったか」を心がける

ヘルパー職として1日4件〜5件ほどお客様のご自宅に訪問し、家事などの生活支援から入浴・排泄介助を行います。初回は先輩社員とともに伺い、その後は1人で担当します。私は高校や大学で専門的なことを学んでいませんが、入社前に会社のサポートで初任者研修を受け、入社後も研修などで知識を深められています。ただ、掃除・洗濯・調理など身の回りの支援、特に調理に対して「私に作れるだろうか」と不安を感じていました。限られた時間内に終えなければならないため、初めはタスクの多さに焦ることも多かったです。

そのたびに先輩スタッフに質問し、ベテランのヘルパー職にアドバイスをもらいながらインプットを重ねてきました。不安に感じていた生活支援も実践の中で回数を重ねるうちに上達し、お客様からも「お料理作るのうまくなったね」と言われ、成長も実感できています。
4カ月ほど前から、ノルウェー人のお客様のご自宅を訪問しています。日本語を全く話せないお客様のため、最初は上手くコミュニケーションがとれるか不安でしたが、翻訳アプリを利用したり、聞き取れた単語からお客様が伝えたいことを汲み取ったりして会話をしています。この仕事で英語を使うとは思っていなかったため、ヘルパーはいろんな出会いがある仕事だと改めて実感しました。

私は土日休みで、休みの日は下関市から海を越えて北九州市に行き、友人とご飯を食べたり遊んだり。ワークライフバランスも充実しています。

「あなたがいると安心する」そう言われる支援を目指して

先日、あるお客様のご自宅を訪れたときのこと。いつもより口数が少なく、ベッドに横になっていらっしゃいました。支援を終えたあと、「大丈夫ですか?」と声をかけると、「声をかけてくれてありがとう。宮崎さんがいてくれると安心するね」と言われました。私はこの仕事を始めてから、「あなたがいると安心する」と言ってもらえることを目標にしていたので、その言葉がとても嬉しく、同時に「支援ができた」と感じました。

 

ヘルパー職は、一見すると「掃除をする人」「介助をする人」と思われがちです。ですが一番の目的は、お客様の支援をすること。そのために生活支援を行い、介助をします。お客様の体調や気分は日によって変わり、決してルーティンワークではありません。「どう関わると良いのか」「なぜこの支援が必要なのか」、その人の背景・人生ごと考えられるのが、この仕事の面白さです。今後は、まず実務経験を積み、介護福祉士の資格を取得することが目標です。その先で、デイサービスやグループホームなど形態の違う環境での経験も積み、より幅広い視点で福祉・介護に携わっていきたいです。